ホノルル・シティ・ライト(969.9KB)期間限定)

ハワイ、イヒラニのプールサイド、午前10:00。
 空はどこまでもブルー。美しく、贅沢な一日の始まり。まだ、デ
ッキチェアの多くはあいている。
 ビーチ側のデッキチェアをプールを背に置き直し、ハワイの海か
らの風を受ける。

 レンタルのヘッドフォンラジオでFMを聞きながら喜多嶋隆の「
ブラディ・マリーシリーズ」を読む。
 その本の中に「ハワイの歌の中には、〈虹を追いかける〉と言う
歌詞がよく出てくる。それはみな〈夢を追いかける〉という意味な
のだ」とある。
 いつの間にか、忘れかけていた夢、それをハワイはもう一度思い
出させてくれる。虹のように遠くにあっても、それを見ていたい。

 海からの風が強くなってきた。サンブロック・ローションを塗り
直す。ハワイの太陽はそれでも、肌の色を変えてくれる。

 何もしない。ただ、プールサイドで、全身でハワイを感じながら
本を読む。ヘッドフォンからはケオラ&カポノ・ビーマーの「ホノ
ルル・シティ・ライツ」が聞こえている。昔、ホノルル空港を、夜、
飛び立つ便で、離陸時にこの曲を流す航空会社があったと聞いたこ
とがある。

 ハワイの太陽と潮風がくれたココア色の肌と、心の中には虹を持
って日本へ帰ろう。